検査項目 | 検査内容 | 概要 | |
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内科診察 | 問診・聴診・既往歴・自覚、他覚症状 | 医師による問診、聴診を行います。 この所見と各種検査結果から総合判定がなされます。 |
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身体計測 | 身長・体重・BMI | 身長と体重から肥満度(BMI)を算出し肥満や痩せがないかを調べます。 BMIは肥満度を計る指数の一つで[体重(kg)÷身長(m)の2乗]で求めら れます。標準値は[22.0]で、統計的に値が標準値に近いほど生活習慣 病にかかる確率が低いと言われています。[→BMIの計算ページ] |
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腹囲測定 | おへその高さで腹囲を測定し、内臓脂肪型肥満かどうかの目安とします。 | ||
視力 | 視力測定により視力が適正か、視力低下が生じていないかを調べます。 | ||
聴力 | 聴力を測定し、難聴の有無を調べます。 | ||
血圧 | 血圧測定 | 血圧は心臓が収縮・拡張したときに血管壁にあたる血流の強さを表します。 血圧を測定し、高血圧や低血圧の有無を調べます。 |
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尿検査 | 尿糖 | 尿中のブドウ糖の量を検査し、糖代謝の異常の有無を調べます。陽性の 場合は糖尿病が疑われます。甲状腺機能亢進症や腎疾患等でも陽性と なる場合があります。 |
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尿蛋白 | 尿中の蛋白の有無を調べます。陽性(+)の場合、腎臓や尿路結石等の 泌尿器系の疾患や糖尿病等が疑われます。激しい運動の後や発熱時、 月経前後等でも一時的に陽性になる場合があります。 | ||
尿ウロビリノーゲン | 尿中のウロビリノーゲンの量を検査します。擬陽性(±)~ 弱陽性(+)が 正常値とされています。強陽性(+ +)の場合は肝障害や溶血性貧血が 疑われ、陰性(-)の場合は胆管閉塞等の胆道系の異常が疑われます。 疲労時や薬物投与時にも一時的に陽性になる場合があります。 |
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尿潜血 | 尿中の赤血球の有無を調べます。陽性(+)の場合は、腎炎・膀胱炎・尿路 結石・前立腺炎等の腎臓や尿路に出血を伴う異常があることが疑われます。 激しい運動後や寒冷暴露で一時的に陽性となる場合があります。 |
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尿pH(酸性度) | 尿が酸性かアルカリ性であるかを調べます。通常尿は弱酸性ですが飲食 や運動等の影響により変動します。尿路感染症等の細菌感染がある場合 はアルカリ性に傾きます。 |
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血 液 検 査 |
血液一般 | 赤血球 (RBC) | 血液中の赤血球数を調べます。血色素やヘマトクリットの数値と併せて 貧血や多血症等の血液疾患の有無を検査します。 |
血色素 (Hb/ヘモグロビン) | 血液中の血色素の量を調べます。血色素は赤血球の成分の一つで 赤色の鉄分です。この鉄分と酸素が結合することにより全身に酸素が 運ばれるため、減少すると貧血になります。 |
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ヘマトクリット (Ht/Hct) | 血液中に占める赤血球の容積の割合を調べます。貧血の場合は基準値 より低くなり、多血症の場合は高くなります。 |
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白血球 (W/WBC) | 血液中の白血球数を調べます。白血球には体内に侵入したウイルスや 細菌等の異物を排除する働きがあり、感染症や炎症が起きているときに 増加します。基準値より高い場合は虫垂炎等の炎症性疾患、細菌等に よる感染症や白血病、低い場合は膠原病等が疑われます。 |
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血小板 (plt/PLT) | 血液中の血小板の数を調べ、止血機能の異常と血液疾患の有無を 調べます。 |
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血清鉄 | 血中に存在する鉄分の濃度を調べます。高値の場合は再生不良性貧血や 鉄芽球性貧血、低値の場合は鉄欠乏性貧血、出血性貧血等が疑われます。 |
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肝機能 | GOT (AST) | GOTは細胞内の酵素で肝臓、心筋、骨格筋に多く存在します。これらの 箇所に障害があり細胞が破壊されると、GOTは血液中に放出され値が高 くなります。肝臓障害、心筋梗塞等の疾患で高値を示します。 |
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GPT (ALT) | GPTは肝細胞中に多く含まれる酵素です。肝炎や脂肪肝等の肝疾患に より肝細胞が破壊されると高値を示します。 |
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γ-GTP (γ-GT) | γ-GTPは肝臓、胆道、膵臓、腎臓に多く含まれる酵素です。肝臓の解毒 作用に関係し、多酒よるアルコール性肝障害で高値になることが知られて います。他に肝炎や脂肪肝、胆道閉塞等、肝臓や胆道の疾患でも上昇し ます。 |
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ALP | ALPは肝臓、胆管、骨、小腸等に存在する酵素です。肝疾患、胆道系の 疾患、骨疾患等で高値となります。 |
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LDH | LDHはほぼ全身の細胞に含まれている酵素です。高値の場合は体内の どこかに異常があることを示していますので、再検査を必要とし、どの臓器 による疾患であるかを特定します。 |
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コリンエステラーゼ (ChE) | コリンエステラーゼは肝臓でつくられる酵素の一つで、肝機能の働き具合 を示します。値が低い場合は肝硬変や劇症肝炎等の疾患により肝臓の働 きが低下している疑いがあります。 値が高い場合は脂肪肝やネフローゼ等 が疑われます。 |
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総ビリルビン (BIL) | 血液中のビリルビンの値を測定し黄疸性疾患の有無を調べます。ビリルビ ンは赤血球のヘモグロビンの分解されてできた黄色の物質です。肝障害や 胆道の閉塞等の疾患によりビリルビンの取り込みや排泄に異常があると 血中のビリルビン値が上昇し、皮膚や白目が黄色になる黄疸が現れます。 |
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総蛋白 (TP) | 血清中の蛋白の総量を計測します。脱水や多発性骨髄腫等で上昇し、 肝硬変やネフローゼ、栄養不足等で低下します。 |
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ALB (アルブミン) | アルブミンは肝臓で合成される蛋白です。肝疾患、ネフローゼ、栄養障害、 炎症等で低下し、脱水で高値となります。 |
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ZTT (硫酸亜鉛試験) | 血清蛋白の一つγ-グロブリンの量を調べ、肝臓のダメージを測る検査です。 慢性肝疾患の経過をみるのによく使われます。 |
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TTT (チモール混濁反応) | ZTT同様、肝機能の検査や経過観察に用いられます。慢性肝疾患やA型 肝炎、骨髄腫等で高値となります。 |
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A/G比 (アルブミン/グロブリン比) | 血中のアルブミンとグロブリンの比率を調べます。肝疾患やネフローゼ、 栄養障害等で低値となります。 |
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血中脂質 | 総コレステロール (T-Cho/TC) | 血液中に含まれるコレステロールの量を調べます。高コレステロール血漿や 脂肪の摂りすぎ等で値が高くなり、肝臓病、貧血、低栄養等で値が低くなるこ とがあります。コレステロールは細胞をつくる成分やホルモンの原料になる等、 体には不可欠な物質ですが多すぎると血管を詰まらせ動脈硬化を引き起こし ます。少なすぎると脳出血を起こしやすくなります。 |
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HDLコレステロール | 動脈硬化を予防する働きのあるHDLコレステロールの量を調べます。HDL コレステロールは血管壁の過剰なコレステロールを肝臓に戻し動脈硬化を 防ぐ働きがあるため善玉コレステロールとも呼ばれます。値が基準値よりも 低い場合は動脈硬化の疑いがあります。 |
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中性脂肪 (トリグリセライド/TG) | 血液中の中性脂肪の量を調べます。中性脂肪は飲酒や糖分、脂肪分の 摂りすぎ等により摂取された余分なエネルギーが肝臓で変化したもので、 皮下脂肪の主成分となります。増えすぎると動脈硬化から、高血圧症、 心臓病、糖尿病等を発症するリスクが高まります。総コレステロールととも に高値の場合は高脂血症が疑われます。 |
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LDLコレステロール | 血液中のLDLコレステロールの量を調べます。LDLコレステロールは 肝臓から末梢組織へコレステロールを運ぶ働きがありますが、余分な LDLは血管壁に付着し動脈硬化を促進するため悪玉コレステロールと も呼ばれます。値が高いと虚血性心疾患や脳血管障害等の動脈硬化 性疾患を起こす危険性が高くなります。[→LDLの計算ページ] |
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血液像 | 白血球分類 | 血液中に含まれる白血球の種類の割合を調べます。白血球には好中球、 リンパ球、単球、好酸球、好塩基球があり、健康な場合はこれらがほぼ 一定の割合で構成されています。基準値を大きく上回る白血球がある場合 は以下のような疾患が疑われます。 好中球: 感染症・炎症・心筋梗塞等 リンパ球: ウイルス感染症・肝炎・リンパ性白血病等 単球: 結核・膠原病等 好酸球: アレルギー疾患・寄生虫症等 好塩基球: 慢性骨髄性白血病等 |
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腎機能 | クレアチニン (Cr) | 血液中のクレアチンの量を調べます。クレアチニンは蛋白質の老廃物で 腎臓で濾過され排泄されます。腎機能が低下し排泄が悪くなると血液中の クレアチンが増え値が上昇します。高値の場合は腎機能の低下や尿路結 石等が疑われます。 |
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尿素窒素 (BUN) | 血液中の尿素に含まれる尿素窒素の量を調べます。尿素窒素はクレアチ ニンと同じく蛋白質の老廃物で腎臓で濾過され排泄されます。高値の場合 は腎臓、尿路系の疾患が疑われます。 |
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尿酸 (UA) | 血液中の尿酸の量を調べます。尿酸は食べ物や細胞の中にあるプリン体 が分解してできた老廃物で通常は尿に含まれ排泄されますが、血液中の 尿酸の量が多すぎると結晶化します。この結晶が関節に沈着し炎症を起 こ すと痛風発作が現れ、また腎臓に沈着すると腎障害も引き起こします。 尿酸は高尿酸血症、痛風、腎障害等で高値になります。 |
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膵機能 | 血清アミラーゼ | 血液中のアミラーゼの値を測定します。アミラーゼはデンプンを分解する 消化酵素で、主に膵臓や唾液腺から分泌されます。高値で膵疾患、肺ガン、 卵巣ガン、急性アルコール中毒等が疑われ、低値では唾液腺疾患、高血糖 等がが疑われます。 |
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糖代謝 | 空腹時血糖 | 空腹時の血液中のブドウ糖濃度を調べます。糖尿病や内分泌、膵臓疾患等 で異常値を示します。 |
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HbA1c | ヘモグロビンの中に含まれるヘモグロビンA1c(HbA1c)の割合を調べます。 ヘモグロビンA1cは赤血球の中のヘモグロビンにブドウ糖が結合したもので 血糖が高い状態が続くと増加します。この値から最近1~2ヶ月間の血糖値 の平均的な状態を知ることができます。高値の場合は糖尿病が疑われます。 |
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炎症反応 | RF定量 | 血中のリウマチ因子(リウマトイド因子・RF)を調べる検査です。関節リウマチ の診断や治療効果の確認に有用です。 |
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CRP | CPRは炎症や組織細胞の破壊が起こると血中に増加するたタンパク質です。 風邪や怪我でも上昇します。 |
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肝炎ウイルス検査 | HBs抗原 | B型肝炎ウイルスに感染しているかどうかを調べる検査です。陽性であれば B型肝炎ウイルスによる感染が強く疑われるため精密検査が必要です。 |
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HBs抗体 | B型肝炎ウィルスに対して、免疫(抗体)があるか調べる検査です。陽性で あれば、過去に感染しているものの、抗体ができあがり免疫態勢が整って いる状態といえます。 |
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HCV抗体 | C型肝炎ウィルスへの感染の有無を調べる検査です。陽性であれば、 C型肝 炎ウイルスに感染状態か、過去に感染したことがある状態です。 |
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便潜血 | ヒトヘモグロビン2回法 | 検便により便の中に血液が混入していないかを調べ、ポリープや大腸がん 等の病変の有無を判定します。 |
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胸部レントゲン | 直接撮影 (デジタル撮影) | 胸部をX線で撮影し肺や心臓等の臓器の形や病変をチェックする検査です。 肺炎、肺気腫、肺結核、心肥大の有無など、胸部の異常影を調べます。 |
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心電図 | 12誘導 | 心臓の筋肉が伸縮する際に発生する弱い電流の変化を心電図計で 読み取り、不整脈や心筋梗塞、心肥大等の心機能の異常を調べます。 異常が疑われ宇場合は負荷心電図、心臓エコー等の精密検査が必要 となる場合があります。 |
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胃部レントゲン | 直接撮影 ※胃部レントゲン注意事項 |
バリウムを飲み食道から胃、十二指腸等までをX線で撮影し、潰瘍や ポリープ、腫瘍等の異常の有無を検査します。異常が疑われる場合は 内視鏡による精密検査が必要とされます。 |
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腹部超音波検査 | 腹部エコー | 腹部に超音波を当てることにより肝臓、胆嚢、膵臓、腎臓等を画像化し、 腫瘍、ポリープ、結石などの有無を調べます。 |
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眼底検査 | 両眼 | 瞳孔を通して眼の奥にある血管の状態を観察し、糖尿病や高血圧、動脈 硬化等に伴う異常の有無を調べます。 |
掲載されている内容は一般論です。 具体的な事柄の判断、決定につきましては、かかりつけ医にご相談ください。 |